199X年。昭和64年後半。日本で悲しい出来事が起こった。
昭和天皇がお亡くなりになった。
このニュースにより、日本には沈黙の空気が流れ、すすり泣く声が各地にこだました。
寝ても覚めても辛い事ばかり。テレビのチャンネルはどこを選んでも悲しいニュースしか放送されていなかった。
そんな暗い日本の空気を振るい起こさんとばかりに、月食と共にデビューした一台の車。それが
三菱エクリプス!
↑こんな形した車、街中で見たことある?
元の活気あふれる日本に戻ってほしいと誰もが望んだに違いない。そんな思いを胸にエクリプスデビュー。
ルーツはアメリカ、主に北米で生産され日本には逆輸入という形でデビューした。人で言うなら帰国子女!なのである。
あの西田ひかるとか、南ともこ(誰?)と同じ、知性あふれるスペシャリティークーペとしてデビューしたのである。
帰国子女ゆえ、和式トイレやお箸の使い方が判らんといったような、爆裂カルチャーショックを日本の道路でかもし出す。
そんな平成と共に歩もうとした車、ステキな「エクリプス」の装備についてお話しましょう…。
★ ここがすごいぞ!エクリプス
日本車なのに左ハンドルだ!
このマシン、れっきとした外車。なんでも三菱が日本での販売台数を考え、諦めて左ハンドルのみにしているんだとか。
もう、これだけで日本の道路上異彩を放っていると言えよう。テールランプに「MITSUBISHI」とでっかく書かれているのに
左ハンドルってだけでもう、それは異質異彩異常の「3異」のMVPを獲得できそう。しかし、まだまだこんなものではない。
むっさでっかくMITSUBISHI!
リトラクタブルヘッドライト。かっこいい!
名車「フェラーリ」でも採用されている「隠しライト」をこの子も持っている。今現在は廃止されているため貴重な存在?
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この車、視点が低すぎて先頭が見えないので、これを目印にして走ると便利。(使い方が違う)
驚きなのはヘッドライトを消すと「閉じやがる」のだ。私は関西圏で運転しているのだが、交差点で先頭になると
ヘッドライトを消す習慣がある。消す→パコン。「あれ!?」対向車線に止まってる180SXやRX−7を見ると
開いたままライトだけ消えている。ヘッドライトを点けたり消したりするだけでパッコンパッコンうるさい。
しかも中古なんでぎこちない音が共に聞こえるので極力出しっぱなしにした。目印にもなるし。
それにしてもヘッドライトを開くとちょっぴり間抜けな顔になるなぁ。ヘッドライトの下にある透明な部分は何のために
あるんだろう…。ここがヘッドライトになっても良いような気が…。
←ここがヘッドライトになってもいいよね!
勝手に締まる電動シートベルト!
この車の目玉はなんといってもこれ!ドアを閉め、イグニッションキーを回すとシートベルトを自動的に閉めてくれる!
プリウスが未来の車と言っているようではまだまだ甘い。平成元年、ここに未来の車があるではないか!!
これさえあればシートベルトのつまらない取り締まりにあっても捕まることはない!なんて便利な機能だろう!!
しかし、この次のエクリプスモデルでは採用されていない。なぜっ!?
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もう、すごい。なんと言ってもすごいです、これ。この子の目玉と言えるべき装備の一つではないでしょうか?
ドアの付け根部分がレールになっており、ベルトの装着部分がこれを通ってきてカチャン。一度でも体験すれば病み付き
になること間違ありません。
←百聞は一見にしかず!まさにスペシャル!
ちなみにこのベルトを締めずにイグニッションを回すと、付け根だけが肩までやってきて
ピーーーーーーーーーーーッ!!
…とこれでもかと言わんばかりに警告音が車内に鳴り響きます。しかも約数十秒間。これなら嫌でも装着せねばなりません。
あと、腰に巻く必要があります。これは自分で締めます。自動の意味がありません。
つまり、肩から斜め部分と腰の部分の2箇所を締めなければならず、斜め部分は電動でやってくれる。
腰のベルトを巻くと、これまた滑稽なシーンを生み出すことになります。目的地に到着し、勢い良くドアを開けて
かっこよく出ようとすると、突然また体が車内に引き込まれてしまいます。
このように、電動に頼り過ぎると腰の部分を外すのを忘れます。
←助手席のペンギン君。快適ッス!
高級感バリバリ!オートクルーズ!
高級車ならでは!高速走行もラクラクのオートクルーズ!アクセル踏まなくても速度維持!なんて高級なんでしょ!
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ちょっとまて。これミッション車やで?いや、よくみると確かに付いている。マニュアルを熟読。
「ボタンを押しながらお好みの速度まで上げてください。お好みの速度になりましたらボタンを離してください。」
このお好みという表現が、何かと強烈なインパクトを作りますな。読み手を引き込むとわ、なんてマニュアルだ。
んで、使ってみると…おおっ!確かに!しかし、ミッション車ゆえものすごいエンブレ&引っ張り。代わりに別の荒っぽい人にアクセルを
踏まれているような感覚。気持ち悪い。ガックンガックンしよる…。よーし、これを2速でやったらどないなるんやろ…
やはり日本の心は忘れてない!
この子、三菱が誇る4G63(ランエボ)と同型のエンジンを積んでいる!パワーはランエボほどではないが、
それに劣るとも勝らないターボパワーがモリモリ。しかも4WDだ!
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項目が変である。でも間違っていない。なぜならブーストが利きはじめると漬物の香りが車内に所狭しと充満し、
スポーツカークーペの車内のはずが奈良か京都とかおばあちゃんの部屋とかに変えてしまいます。
デート中にこんなんなったら悲惨で、かっこよくシグナルダッシュ!なんてやってしまうと
彼女「なんかにおわない?」
俺 「ターボブースト搭載車はこんなもんさ。(汗)」
彼女「なんか漬物みたいで臭い。」
俺 「ご飯(白飯)食べたくなったね。ご飯食べに行こう!」(実話)
…このようにロマンチックのかけらもへったくれもない会話が成り立ったりする。
きっと製作者は「アメリカに行ってもお米を食べる習慣をいつまでも忘れないでね」
という願いを込めて、造ったに違いない…。恐るべし、三菱自動車。
実用性も兼ねた積載能力!
買い物行っても安心!ママもびっくりの積載能力!ねぎとか大根もたくさん入るぞ!
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そう。異様にトランクが広いのである。子供二人くらいは寝られるほど広い。実用性バリバリじゃないか!1BOXなんて目じゃないぜ!
←15インチのタイヤが二つも余裕で入るぞ!
…と思ったら、トランクの広さできっちり車内が狭くなっている。後部座席は…。とても人が乗れる場所ではない。
足を入れる場所すら危うく、前席の方が気を遣ってあげないとまともに座れません。まぁクーペってそんなもんかな?
(しかし前乗っていたAE101レビンは大人がきっちり4人乗れました。さすが!)
まだまだ語り足りない部分が多いですが「この子で町に出る!」特集で取り上げたいと思います。
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