ゼルビスとMAGAMO

ここでは私、MAGAMOがゼルビスを選んだイキサツみたいなのをお話しましょう。
基本的にMAGAMOは普通(以下)のサラリーマンです。通勤にはバイクを使用しており、
先に紹介したV−MAXで通勤していました。そして結婚した相手がバイク嫌いな方でした。
バイクは危険、うるさい、必要ないを唱えるスタンダードな反バイク派の方だったのです。
そうなると当然バイクを降りなければならない事になってしまいます。
長い年月を共に過ごして来たV−MAXとも別れなければなりません。楽しい思い出と共に…。

しかし、一寸の虫にも五分の魂か、小さな情けを受けてV−MAXだけは残してくれるという事になりました。

こうして、なんとかバイク乗りの命を繋ぎとめたMAGAMOはバイク通勤を続ける事になります。
バイクは事故とか迷惑さえかけなければとても楽しい乗り物である。
なかなか理解はされないが、正しく乗れば普通に楽しめる。車には無い別の楽しみがあるもんだ。

これさえ理解してもらえれば…

そこでMAGAMOはある考えをひらめきました。

妻をツーリングに連れて行こう。

不安がる妻を必死に説得してなんとかかこつけたツーリングは何とか成功に終わる。
これでうまく理解してもらえれば、バイクに対して多少の投資などが受けられるかも知れない!
通勤で朽ちていくだけのV−MAXにかすかな光がこぼれるのが見えた。
やはり金が無ければやってはいけないのである。趣味の産物であるバイクは、
家計からの出費なんて受けることはままならないのである。
MAGAMOの残り少ない財産を食いつぶしていてはいつかは打ち止めになる。
家計から援助をうけなければV−MAXの将来が危うい。

しかし、MAGAMOの思惑はとんでもない方向へ動き出した。

妻が二輪免許を取る!?

何が妻をそうさせたのかは全然わからない。
あれだけ反対派だった妻が自分の意志で二輪免許を取ろうというのである。
「青天の霹靂」とは言ったもので、まさにこのことである。
教習の最中は「バイクならなんでもいい」「どのバイクも同じように見える」
という考えだったようだが、選択したのは「ゼルビス」。これも経緯は不明。
そして、妻の免許取得前にゼルビスを購入した。妻はとても「ゼルビス」が気に入ったようだ。

こうなるとMAGAMOの思惑は「フランスに渡米する」ような状態になってしまい
家計のV−MAXへの投資は、全て「妻のゼルビス」へと移動する。
理解は得られたものの、若干違う結末となってしまったのだ。

しかしこの「ゼルビス」。通勤で使わせてもらうと「とても乗り易い」のである。

長年V−MAXに乗ってきたMAGAMOにとって、お手軽なバイクって言葉がピッタリあう。
そしてMAGAMOの脳裏にとんでもないワガママな考えが募る。

自分専用の通勤バイクがほしい。

当然、普通に考えるとムリ。
しかしさらに説得して了承を得た。車検の無い250以下のバイク限定で。
ヤマハSDR・ヤマハTZR125・スズキWOLF125…
これらがMAGAMOの候補であった。
バイク好きが見れば、これらの共通点はばっちり分かってもらえると思う。
まあなかなか良質なものは無く、なかなか見つかるものでもなかった。

ところがある日

道を車で走っていると突然見つけたHONDAの店。スクーターが所狭しと並んでいる。
普通のスクーターショップみたいな場所だった。とりあえずバイクを見て回っていたのでついでに寄った。
表にどこかで見たことのあるようなバイクが置いてあった。

ゼルビスや。

しかし、このゼルビスはお客様の修理依頼で入ってきていたゼルビスらしい。(グレーだった)
ゼルビスが見られるだけで珍しい中、この近くで乗っている人がいるというのも不思議なものだった。
とりあえず、奥の中古バイクを覗かせてもらう。
すると、さらに奥の方にほこりをかぶった、どこかで見たようなバイクが敷き詰めてあった。

ゼルビスや。

一つの店で二台見かけるなんて非常に珍しいことだ。なんてマニアックな店なんだろう。
この時のMAGAMOは、妻と同じゼルビスなんて買うつもりはさらさら無く、
違うコンセプトを持つバイクがいいなーなんて思ってあれら3台を候補していた。
それにゼルだけあって、安いものではなかった。

まさか夫婦で同じバイクなんて。欲しいのは2スト。

速攻で候補から外した。
後日、よく悩んだ。

ある日…夢にあのゼルビスが出てきた。もう完全にノイローゼ気味になっている。

ひょっとしたら運命的なものかもしれぬ。そんな風に心を揺らしていると、妻がとどめを刺してきた。

ゼルビスなら3万融資する。

★商談成立★←どっかでみたフレーズ。

そしてMAGAMOは、全財産を使ってあの黒ゼルを購入する事を決意。
ちょうど寒い1月の事でした。

さらにちょくちょくロムさせて貰っていたX.O.Cの扉をたたいた。

メンバーのみんなは暖かく迎え入れてくれた。初心者から上級者まで幅広い人脈と暖かい雰囲気。
イベント盛りだくさんで、日本全国ほとんどの場所に点在。
出張先で歓迎会開いて貰った時には、感極まってしまったこともある。

大げさだが人生が変わった。

ここであの2ストを選んでいたらどうなっていただろう?
多分このネット上でこんな風にメッセージを書いていたりしなかっただろうし、
今のバイクライフを味わう事なんてできなかっただろう。
X.O.Cに感謝。
選択のきっかけをくれた妻に感謝。
そして何よりゼルビスに感謝したい。

…そんな今日も、事故に気を付けながらゼルビスに乗って元気に通勤しています。
(あれ?V−MAXは?)

ご清聴ありがとうございました。


 


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