Re:ゼロから始める安全運転大会「バイク選び」(一般Aクラス)

2020年10月15日二輪車安全運転大会

まずは地方大会を勝つ

鈴鹿で行われる全国大会に出場するためには、まず各県で行われる地方大会に勝つ必要があります。
地方大会のルールは、各県さまざまですが、基本的には自分のバイクで参加するというのがセオリーになっています。
(和歌山県大会においては、白バイの練習機で行われるように、例外も存在します)

普段から慣れ親しんでいる愛車で参加するのが、なにより一番なのにゃが、やはり勝ちやすい車種というのも存在しているのも事実なのにゃ。

今回は安全運転大会に勝つためのオススメの車種を紹介してみようかと思います。
ただ、間違ってほしくないのは乗れば勝てる車種ではないことに注意してください。あくまで勝ちやすい課題をクリアしやすい車種ということに着目しています。

お金に余裕のある選手は、大会専用機を準備するのもアリだにゃ。
できれば、愛車で勝負したいんだがにゃ。

一般Aクラス(400cc未満)

いわゆる中型クラスですね。
このクラスは比較的勝ちやすい車種が多く、激戦区となっている県がほとんどです。
その中でも際立って勝ちやすい車種も存在しています。
代表的な車種を、ランク別で見てみましょう!

Sランク(かなり有利!勝ちに行く車種!)

カワサキ:スーパーシェルパ
ヤマハ:セロー
ホンダ:SL230

など

長所:軽さとハンドルの切れ角と扱いやすさ

短所:さすがにブロックタイヤと大きなタイヤでは、スラロームなどでは速いマシンには劣ってしまう。

いわゆるオフロードバイクです。
けれど、オンロードも走れる通勤快速。
軽さとハンドルの切れ角、そして扱いやすいエンジンは文句なし。
低速課題もネガティブな部分が無いため、特に悩むことも無くクリアできます。
ギア比さえうまく設定していれば、スラロームなどのスピード系の課題でも、基準タイムを十分狙えるポテンシャルがあります。あまりの細さから、ステップの接地は滅多にありません。
ブロックタイヤのままでも不自由はありません。
県大会は単なる通過点と考えて優勝を狙っている選手が選ぶこともある車種です。

スーパーシェルパ…
かつて兵庫県で優勝し、全国大会を制した選手が、とりあえず地方大会勝つために選んだ車種でもあるにゃ。

お値段も結構お手ごろ感があり、維持もしやすく頑丈なので、練習機としても大会用としても愛されている車種ですね。
ただ、勘違いしてはいけないのは、乗れば勝てる車種ではないということです。クリアはしやすいですが、この車種で優勝を決めている姿は多く見たことがありません。

応用千鳥やレムニーなどの課題に、心配事がなくなるにゃ。
マシンをバンクさせることなく、ハンドルだけでクリア可能にゃ!

ただ、無理に気になるポイントを探せと言えば…
ややウインカーなどの電装系部分の光が見えにくいことがあり、法規走行で目立たずに、目が悪い審判に認識してもらえない可能性があるかも知れません…(かなり稀なケースですが)

ホンダ:XRモタード
ヤマハ:WR
スズキ:DRZ400SM
カワサキ:Dトラッカー

などのモタード系

長所:軽さと扱いやすさに加え、オンロードタイヤを備えた「スピード系・低速系」の両方を兼ね備えた無敵の強さ!

短所:倒立フォーク採用の車種もあり、意外とハンドルの切れ角が悪かったり、足回りがモタード仕様のため、極低速では少しクセがある

前述のオフロードバイクにオンロードタイヤを装備し、さらにはスラロームの走破性を兼ね添えた無敵のマシンです。
中には「反則だ!」という声も多いですが、特に出場を禁止されている訳ではないので問題はありません。
スラローム走行でも扱いに慣れれば異常なまでの走りを見せます。
しかし、クセのある足回りには、慣れるにはかなりの熟練が必要ですね。
後は車高がかなり高く、足つきが良くありません
身長の低いライダーにとっては、少し敷居が高い車種でもあります。

速い!扱いやすい!強い!…すべてが揃った最強の車種にゃ!

でも、ちょっと私みたいな初心者には扱えないですね…
足つきも不安だし…

車両も細いので、パイロン接触にも強いにゃ。
ワチは強くおススメするにゃ!

ただ、低速セクションの走破性があまりに強いため、前述のオフロードと共に、出場を禁止している地方もあるので、そこをよく主催者・運営さんに確認をとっておいてくださいね。

ホンダ:グロム
ホンダ:エイプ
カワサキ:Z125
カワサキ:KSR

などの、いわゆるミニバイク

長所:低速セクションにおいては、前述のモトクロス以上の走破性。設定はほとんど意味が無いレベル。スラロームも慣れればかなり速い。

短所:会場までの移動で高速道路などを要す場合、トランポ(車載)必須になります。

正直なところ、これら原付二種において、この競技に出場する意味があるのか疑問です。
ただ、スクータークラスの設定で出場させられると、途端にクリアが困難になるということもあり、主催側も公平を考えて禁止している地域もあるようですね。
こちらも、きっちりと主催・運営さんに確認しておいてくださいね。
出場できれば、かなり楽になると思いますよ。

ミニバイクだから、お値段も安いし維持も楽にゃ。
お金も掛からないのでお手軽にゃ!

そうとも言えませんよ~。
改造の沼にハマり出すと、簡単に大型バイクが買えちゃうまでになるくらい、お金が掛かるそうですよ。
でも、足つきや軽さが安心ですね。かわいいし!

まあ、説明でもあるように、有料道路や高速道路が使えないので、会場に行くまでが勝負になることが多いにゃ。

後は少し気になる点があるとすれば、急制動の課題では、指定速度40km/hを出せる距離が足りなかったり、軽量すぎてブレーキが難しく、ロックさせて減点されることがあるそうなので、気を付けなければいけません。

Aランク(とてもクリアしやすい)

ホンダ:VTR250
カワサキ:Z250
スズキ:ジクサー
ヤマハ:MT25

代表的な250ネイキッドです。

長所:苦手が無い、バランスが良い車種。

短所:特に秀でた部分も無いので、そこはライダーの技量が求められます。

まさに最高のバランスを持った車種です。
低速課題でも持ち回りの小回り性能で不安も少ないです。
スラローム走行でも、比較的扱いやすいので、基準タイムを突破するのも苦労しません。
街乗りやツーリングでも大活躍するので、主力としているライダーも多いでしょう。
そのままこの競技に使えますので、メジャーになるかも知れませんね。
特に苦手な項目が無いのも、この車種たちのいいところです。

ガチの選手が好んで選択する車種だにゃ。
どんな課題でもそつなくこなせるのが魅力だにゃ。

特に苦手なことがないし、何より乗りやすいから、競技でも講習会でも愛用されています。

バランスが良すぎて、特筆すべき部分がないにゃ…

と、とにかく…ライダー自身を鍛えましょう!!

カワサキ:バリオス
ホンダ:ホーネット
ヤマハ:ZEAL
スズキ:バンディット

250マルチの人気車種

長所:軽く扱いやすい。なんでもこなせる優秀選手

短所:繊細なアクセルワークが要求される

今では見かけなくなった250ccのマルチエンジン。
近くにカワサキが発表している「ninja250」が注目されていますね。
扱いやすさも優秀で、特に低速課題ではショックの少ない安定感を見せます。
走りも軽量とパワーを活かしてガッツリ走れるので、初心者から上級者まで幅広い層に支持されています。
中でもホーネットのハンドル切れ角だけは異常で、モトクロス並みの低速課題走破性を持っています。
フロントタイヤサイズ16インチのクセさえ掴んでしまえば、かなり有利な展開に持っていけると思います。
甲高いエキゾースト音を響かせてスラロームを走る姿は、注目の的です。
(色んな意味で)

いい音だにゃ…!
この音こそ、バイクだにゃ!!

しょうわのおっさんですね…
私はVTのような、トコトコ音の方が好きです。

この良さがわからんとは、まだまだだにゃ。

何がまだまだなのか、わかりませんが…
まあ、そういう世界もあるんだと認識しておきますね。

ホンダ:CB400SF
ヤマハ:XJR400
スズキ:インパルス
カワサキ:ZRX2

スタンダードな400ccのマルチです。教習所でもおなじみですね。

長所:ハンドルの切れ角や扱いやすさのバランスに優れています。

短所:前述の250勢に比べ、重量があります。

教習所でお世話になったことがあるでしょう。
とても乗りやすく、なんでもできる車種です。
この競技は教習所でやったことの延長でもあるので、まさにこの車種たちこそ、この競技にふさわしい姿です。
できればこの車種たちでクリアしたいですね。
パワーの割に、重量があるため、少し扱うのに練習を要するかも知れません。

手に入れやすく、力もあるのでツーリングや普段乗りでも不満がほとんどないにゃ。

まあ、強いて不満を言うなら、250と違って車検が必要な事くらいでしょうか。

PICK-UP!

カワサキ:Z400

現在の二輪車安全運転大会・全国大会の課題車両です。
この車種を練習用として購入し、この大会に挑んでらっしゃる方も多いです。
実戦でも活躍できるので、車種が気に入ればメインとして乗るのもアリですよね。

車検が必要ですので、維持は大変ですよぉ…
気軽に練習機として所持できる余裕がいりますよぉ…

Bランク(そこまで競技向けじゃないですけど…)

カワサキ:忍者250
ホンダ:CBR250
スズキ:GSX250
ヤマハ:R25・R3

人気なツアラーです。

長所:Aランクのネイキッドと同じく、かなり扱いやすいです。

短所:カウルが装着されているため、低速課題の走行ラインがトレースしにくいです。

ネイキッドとほとんど同じ性能なのに、なぜランクが一つ違うのか…
この競技では、意外と「カウル」の存在が大きいです。
重量というよりも「視認性」が問われます。
ブロックスネークや一本橋などで、前輪がたどるラインが見えづらいとか、応用千鳥で狙うラインも見えにくいんです。
間違わないで欲しいのは、見えないのではなく見えにくいという点ですので、圧倒的不利というわけではありません

公道でもたくさん見かける、人気車種だにゃ。
ツーリングも快適なのも、選ばれる理由の一つだにゃ。

かっこいいですよね!私のゼルビスもこのクラスに入りますが、ちょっと重量が…
あとは、カウルの存在は大きいです。

普段から慣れていれば、十分優勝も狙えるんだにゃ。
この大会に勝つために選ぶなら、ネイキッドをおすすめするにゃ。

PICK-UP!

ヤマハ:400(キックスターター)

オシャレなカフェレーサー…ですが、キックスターターに注目

少し極端な例ですが、これはSR400が…というわけではなく、キックでエンジンをかける車種のことです。課題の間や待機のたびにキックスタートしていると、疲労もあり集中力も乱れる可能性があります。特にSR400などの大きな車種になると大変!!オシャレでかっこいいけど…「ケッチン喰らって負傷!」なんてことになってしまうと、シャレになりませんからね。

Cランク(なぜ、その車種で…)

ホンダ:CBR250R
ヤマハ:FZR400
スズキ:GSXR250
カワサキ:ZXR

旧式のバリバリセパハンレプリカ。

長所:高回転エンジンでパワー抜群、熟練次第でスラロームは早く走れる

短所:ハンドルが切れないので、低速課題は熾烈を極めます。

好きこそものの上手なれ!とは言いますが、敢えてこの車種で挑む勇気は称賛に価するくらい、クリアが難しいです。
高回転型エンジンも、パワーを維持した小旋回などの高等技術が無いと、タイトな旋回はできません。
特に右のハンドルフルロックは、持ち方を変える意識をしないと、アクセルを操ることができなくなります。
この車種しか持ってない!この車種しかイヤだ!…という人以外は、別の車種での参加をおススメしますよ。
…でも、この車種で優勝したら、確実に伝説として語り継がれますよ。
私も応援します!

普通の事が、普通にできないいばらの道にゃ…。
ワチもこの車種を操れる人間に憧れるけど、ちょっと難しいと思うにゃ…。

でも、ジムカーナ用のように、カウルを外してアップハンドルにしてしまうと、途端に有利になると思いますよ。
冷却系やハンドルストッパーの加工など、色々大変なことが多いですけど…。

そこまでやるなら、中古のクリアしやすい車種を買うにゃ…

それに、そんな改造してしまうと、本来の姿が無くなってしまうから…ちょっと寂しいですね。
もし、大会でそういう改造をして参加してる選手をみかけたら…ガチだと思いますので、走りに注目してみたいです。

ヤマハ:ドラッグスター
ホンダ:スティード
スズキ:デスペラード
カワサキ:エリミネータ

95年くらいに大流行した、アメリカンですね!

長所:足つきがいいです

短所:ホイールベースが長く、キャスター角がすごい、車高が低く接地も多いなど…かなり不向きです

敢えてアメリカンで挑戦する人、実は少なくないです。
禁止されているわけではないので、出場するのには問題ありません。中には何をするのか聞かされてなかったということで、参加してみたらこんなのだった!…という選手も居ました。
やっぱり、好きだからなんだと思います
好きな車種で出場してもいいわけですから…。
でも、勝つとなるととても難しいです。
特に長すぎるホイールベースは、応用千鳥やレムニーなどで相当苦労します。
車高の低さはスラローム走行でステップを擦るなどの減点を覚悟しなければいけません。
ゆったりツーリングでは王様なんですけどね…。
注目はされますよ!

アメリカンで参加する意図はわからないにゃ…

別にいいじゃないですか。
この大会に勝つために来た!というよりも出場してみたい!という気持ちがあれば、どんな車種でもいいわけですから。
好きな車種でやりたいですもんね。

ただ、アメリカンでやるとなると、クリアできるラインを完全に読み取る力が無いと、無理にゃ。
がんばるんだにゃ!

スズキ:スカイウェーブ
ホンダ:フォルツァ
ヤマハ:マグザム
カワサキ:イプシロン

ビッグスクーターですね

長所:半クラしなくてもいいです

短所:ロングホイールベース、視認性、重量、足回り…すべてにおいて不利

多くの愛好家が存在するジャンル、ビッグスクーター。
敢えてこの車種でこの競技に挑むのは、逆にすごいです。
今は教習所でもAT限定が存在し、ビッグスクーターで教習所を走るのですが…明らかに難しいと思います。
ただ、できない訳では無いようで、何名かの出場者を見たことがあります。
県によっては、クラッチレスの車種は出場できないところがあるかも知れませんので、そこは確認しておきましょう。
…敢えて出場しようと思う人は少ないと思いますが…

低速走行は、アクセルを開けたまま、左手のブレーキを握ってコントロールするにゃ。アクセルでコントロールすると出力を失い、ゆっくり走れないにゃ。

まあ、女性クラスと高校生クラスはスクーターなので、おかしいということはないですね。でも、大きすぎてとっても不利です。

注目度は間違いなくトップクラスにゃ!

こういった自由が許されるのも、安全運転大会の楽しいところですね!
応援してます。

その他…ピックアップ集

ここは、一般Aクラスにて実際に出場していた、心に残る車種たちを紹介します。
みなさんの愛車もあるといいですね!

スズキ:アドレスV125

実は意外と優秀なんです

軽さとハンドル切れ角、扱いやすさも優秀で、パワー不足の不安さえカバーすればなかなかの走破性があるようです。
うまくいけば入賞も狙えます!
あるバイク便さんが、この車種を操って優秀な成績を挙げていました。

ホンダ:ゼルビス

早すぎた優秀ツアラー

ゼルビス…私の愛車です。変な名前は「相棒」の意味を込めた頭文字を合体させてできたものだそうです。
走りでも、ここの筆者が連覇を成し遂げたことがあるくらい優秀で、低速からスラロームまでなんでもこなします。遅い・重いなどの酷評がありますが、実はすごくパワーあるんですよ。カタログで判断しちゃだめですよぉ…

ホンダ:NV400カスタム

旧式のアメリカン

旧式のホンダのアメリカンです。
Cランクで紹介したアメリカンとは異なり、車高も高くホイールベースが短いので、攻めれるアメリカンとして優秀な機動力を見せます。エンジンも優秀で低速でも粘るので、意外と入賞も狙えます。

ホンダ:TL125

トライアル

トライアル車で出場されている選手もいました。
低速課題では圧倒的な強さを見せていましたが、スラロームの課題ではギアが合わずに苦労されていました。
ポヨンポヨンと跳ねていましたよ。

SYM:WOLF125

輸入車です。

かっこいいですね!とても扱いやすそうなスタイルをしています。
どれくらいのポテンシャルを持っているのかはわかりませんが、若い学生さんが乗ってらっしゃいました。
その方は高校生クラスで県大会優勝を収めています。

一般Aクラスのまとめ

おおまかに色々と紹介してみましたけど…
参考になりましたか?
この大会では一般的に…
・軽い
・ハンドルの切れ角が大きい
・ステップを擦らない
・細い
・半クラでの低速の扱い

これらの要素が優れている車種が有利なようです。
是非、この大会に向けた車種選びに役立ててくださいね!

次は一般Bクラス(大型バイク)の紹介をするにゃ。
思いのほか長くなってしまったから、ここでCMにゃ。

なんですか、コマーシャルメッセージって…
どことも契約していないんだから、そんなものはありませんよ。
でも、とりあえず一旦休憩しますね。

一般Bクラスに続きます。

2020年10月15日二輪車安全運転大会

Posted by magamo