【コラム】スバルサンバーをもう一度!
走る楽しさを教えてくれる、4気筒エンジン搭載の軽バン
リアに搭載されるエンジンは、軽自動車では数少ない4気筒エンジン。
これがまた、実に面白かったりする。
なぜにこんな低速を失って高回転までひゅんひゅん回るレーシー?なエンジンを軽バン・軽トラに採用したのかは不明ですが、とにかく運転してて面白い。
はっきり言って、重いボディに小さな4気筒エンジン…となると、どうしても効率も悪く遅いのは事実なんですが、全然速度が出ていないにも関わらず、よくわからない吹け上がりの楽しさと、高回転に入った時に豹変するエンジン音がとにかく魅力的。(もうお歳を召した車体が多いので、あまり高回転使わない方がいいよ)
バブル時代にダサイと言われていたぼわーんと言った軽自動車のエンジン音とは全く異なる、ひゅーん!!という軽バンにあるまじき加速と拭け上がり(遅いけど)は、他のライバル車種では味わえない、サンバーだけにある楽しみがあります。
現場に向かう職人さんは、きっと普通の軽バンと異なるサンバーに乗って、そのフィーリングを楽しんでいたかも知れません。
高グレードにはスーパーチャージャーを搭載
クルマ好きな人なら「サンバーと言えばスーパーチャージャーだ!」という、もはや常識レベルなことかも知れませんが、サンバーの高グレードには、ターボではなくスーパーチャージャーを搭載しているモデルが存在します。
ただでさえ下が弱い、小さな4気筒エンジンにターボを載っけると、そりゃどっかんでピーキーな楽しそうなエンジンになるだろうけど、現実的にはサンバーは実用的な軽バン・軽トラ。そんなことやっちゃ、仕事が大変です。
余談になりますが、路線バスのいすゞエルガは、燃費やエンジンの効率を上げるために、15000ccから5000ccまで排気量を下げて、低速を完全排除。究極のどっかんターボを搭載することで、軽量化&燃費向上を実現させているが、それはそれはとんでもなくピーキーで扱いにくい、実用的になめとんのかレベルな革新でした。
ターボラグと、ブーストが効きはじめるその瞬間に、恐ろしい推進力によって車内事故になりかねないとんでも仕様。回送の時にはブースト領域に入れまくってどっかんどっかん走るも、すぐに信号となり、発進するのが実に億劫になってしまう鬱仕様でもありました。
これにDPF(排ガスクリーンなんとか)が加わって低速がほぼ皆無となってしまうと、それはもう恐ろしい赤鬼時間のような悪夢が始まり、運転手に課せられる試練は相当なものでした。(今は改良されて、ちょっとマシになっています)
そういったターボによる低速切りを避けるために、サンバーはスーパーチャージャーを取り入れたのだと思います。これによって低速も安定して加速に載せることができるそうです。実に実用的な判断ではないかと考えられます。
私の所有するサンバーには、スーパーチャージャーが搭載されていませんので、その味はわからないですが、きっと相当実用的で楽しいものではないでしょうか。
スーパーチャージャー搭載車は、プレミアもの。
今の中古車市場では、スーパーチャージャー搭載で少ない走行距離なサンバーは、現在の最新型軽自動車の新車価格を上回ってしまうほどの値段が付いているものがあります。
4WD・オートマ・スーパーチャージャー…なんて装備を搭載していたら、100万では足りないような、なぜに古い軽バンにそこまで出さなあかんねん?的な錯覚にまで陥ってしまいます。
ここまで語ってきた通り、サンバーだけはちょっと他の軽バンや軽自動車とは違った、特別な存在だけにこのようなことが起きてしまっているのです。
田舎道で単に農作業でサンバートラックを乗り回しているおじいちゃんおばあちゃんたちは、たぶんそんな意識なんてせずに乗っているのでしょうけど、実はとんでもないシロモノに乗っているんですよおじいちゃん!!
だからこそ、農道のポルシェと讃えられているのではないかと思います。
なんでもない農作業の軽トラ、でも実は秘めたる力が凄かった。
そんな日常茶飯事とのギャップが、マニアたちを震え上がらせることになったのだと思われます。
田舎道をドライブして、畑や田んぼの真ん中に停まってるおじいちゃんおばあちゃんたちの軽トラを注視してみましょう。
なぜか、サンバーです。
村の商工会とかに勧められたりしているのでしょうか?よくわかりません。
スーパーチャージャーが無いと人権が無い?
ブランド志向というものは世間的に厳しいもので、スーパーチャージャーの無いサンバーは鼻で笑われたりする世界もあるようです。そんなにスーパーチャージャーが無ければ、サンバーはダメなの?
中古車相場も、スーパーチャージャー無しだとかなりお手頃価格で手に入りそうです。
スーパーチャージャー無しは買っちゃだめなの?
またまた余談になりますが、昔ヤマハからV-MAXというマッチョなアメリカンが登場して、逆輸入という形で日本にやってきました。
それはそれはとんでもパワーなマシンで、ある回転数から作動するシステム「Vブースト」というこの車種特有の魅力ある装備を搭載し、人気を呼んでいました。
その後現れた国内仕様は、その車種特有のVブーストを無くし、馬力を50近くダウンさせての販売。
もはや牙をもがれたオオカミ
存在価値などあるのか?
リンゴの芯だけ貰っても仕方がない
などと、パワー戦争真っただ中に登場した意味不明の仕様に、雑誌も酷評を掲載するまでのひどさでした。
Vブーストそのものが人権であったに違いない…それくらいの存在感です。
…なぜ、こんな事を余談に挙げたのか?それは私が国内仕様に乗って、たくさん悲しい思いをしたからです。
実際、Vブーストが無かったからといってリッターバイクの魅力が無かったか?と言われると、そうでもなかった。
Vブーストの効きはじめる回転数まで回さなくても、V-MAXは十分楽しいマシンだったので、国内仕様でも有り余るパワーを持て余していたくらいです。カタログ値やブランドに振り回されてはいけないという教えをV-MAXから貰った気がします。
このサンバーもそうで、スーパーチャージャーが無い仕様であっても、普通に実用的…どころか、前に乗っていたノンターボ3ATアトレーに比べても十分よく走るいい子であることを実感しています。
スーパーチャージャー搭載にこだわりが無ければ、無しの程度良いサンバーを選ぶのも賢い選択かも知れません。実用性豊かで楽しいです。
あれば良いに越した事ではありませんが、無くても十分楽しいです。
燃費も走りも実用的。さらには頑丈!
今どきのハイブリッド車や、高性能軽自動車には劣りますが、車でリッター15km~18km行くのはなかなか経済的です。
前述の通り、なかなか走りも楽しめて、たくさん荷物を積んで苦しい思いをさせてもリッター15kmくらいは普通に行きます。
さらには、運送業者の赤いヤツのご用達な通り、エンジンがめちゃくちゃ頑丈です。
今17万キロに到達していますが、ノートラブルです。
サンバーは10万キロからなんて逸話を耳にしたことがありますが、過走行でもしっかりオイル交換してれば、すんごくしぶとく頑張ってくれるそうです。サンバーマニアには普通に30万キロ超えがわんさかいるくらいですので、その頑丈さはお墨付きです。
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